見積チェックの清光です。
引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。
このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。
お手元の見積書を上から順に見ながら、引越しで値引きできない項目はどれなのかを探していませんか。
先にお伝えすると、その探し方では答えが出にくいと思います。値引きの余地が、項目のほうに置かれていないからです。
この記事では、なぜ項目単位では引けないのかと、代わりにどこを見れば金額が動くのかをお伝えします。

値引きは、項目ではなく総額に対して行われている
見積書に「お値引き」の行があると、どこかの項目から削られたように見えます。
ただ実務では、項目ごとの単価を削って金額をつくっているわけではありません。
私の見てきた範囲では、値引きの9割以上は高く出した定価からの値引きでした。養生費用のように項目を積む形もありますが、こちらは少数です。
つまり値引き額は、先に高めに出した金額との差でしかありません。
ですから「この項目を引いてください」とお願いしても、営業は項目を削るのではなく、総額の側で答えることになります。
実費や車両費に、引ける余地が見えない理由
約款の建前では、引越料金は運賃・実費・附帯サービス料の3つに分かれることになっています。
ところが実務では、高速代や資材費や駐車場代を個別に積算することがほとんどありません。
実費は独立して計算されておらず、基本料金のほうに溶けています。
ですから「実費 ¥0」は見積漏れではありませんし、そこから引ける金額も最初から立っていません。
金額の話でいえば、膨らみやすいのは車両費と作業員費です。
ただこの2つは、お客様の側に妥当性を判定する材料がありません。
相場の見えない項目を名指しで下げてほしいと頼んでも、比べる土台がないので話が進まないんです。
項目で動くのは、値引きではなく「頼まないこと」
項目のほうで金額が動く場面はあります。ただしそれは値引きではなく、その作業を頼むのをやめるという話です。
梱包・開梱・TV配線は、できないから頼むものではなく、時間がない人が時間を買うためのものです。
手が足りているなら外せますし、外れた分だけ金額は下がります。
一方で、金額のために外してはいけない項目もあります。

エアコン・食洗機・ウォシュレット・BSアンテナの脱着は、業者に頼むものです。
見積書の注意事項に脱着の有無を確認する欄があるのはこのためで、ここのチェックが漏れると当日に工事ができず現場で止まります。
| 見積書の項目 | どう動くか |
|---|---|
| 車両費・作業員費 | 妥当性を判定する材料がないので、項目単位では動かない |
| 実費(高速代・資材費など) | 独立して積算されていないので、引く金額が立っていない |
| 梱包・開梱・TV配線 | 自分でやれば外せる。値引きではなく「頼まない」 |
| 電気工事の脱着 | 外すと当日に工事ができない。金額のために削らない |
外せる作業と外してはいけない作業の中身は、附帯サービス料の読み方のほうで詳しくお伝えしています。
だから、見るのは金額欄ではなく条件欄です
項目を眺める代わりに、条件欄が実際と合っているかを上から確かめてみてください。
- 引越日と開始時間の枠が、どういう前提で書かれているか
- 階数とエレベーターの有無が正しく伝わっているか
- 前面道路と、トラックを停める場所の前提が合っているか
- 電気工事の脱着が、必要なものだけチェックされているか
- 金額が税込かどうか
ここは条件を照らし合わせる場所であると同時に、金額を動かせる場所でもあります。
基本料金は物量・付帯サービス・開始時間の枠・日程・距離の複合で決まります。お客様が見落としやすいのは、開始時間の枠と日程のほうです。
土日祝を平日に振れるなら、ほぼ確実に安くなります。項目をひとつ削るより、こちらのほうが金額は動きます。
そして、他社の見積書があるなら金額を隠さないでください。
隠されると営業は自社が安くできるのか判断できず、様子見の金額のまま終わってしまいます。
よくある疑問
Q. 値引き額が大きい見積書は、それだけ得ということですか?
値引き前の金額に根拠がなければ、値引き額そのものは判断材料になりません。
比べるのは、条件をそろえた税込の総額だけで足ります。
Q. 内訳が書かれていない見積書は、断ったほうがいいですか?
内訳は聞かれればすぐ答えられるものなので、まず聞いてみてください。
問題は内訳が無いことではなく、聞いても出てこないことのほうです。
Q. 項目は削らずに、値引きだけお願いしてもいいですか?
構いません。ただ粘られても、営業は説明も譲歩もせずに次の案件へ行くだけです。
お願いするなら、動かせる日程や他社の金額といった判断材料を一緒に渡すほうが早いです。
まとめ
- 値引きは項目ではなく総額に対して行われているので、引ける項目を探しても見つかりにくい
- 実費は独立して積算されておらず、車両費・作業員費は妥当性を判定する材料がない
- 項目で動くのは値引きではなく「頼まないこと」。ただし電気工事の脱着は削らない
- 見るのは金額欄ではなく条件欄。土日祝を平日に振れるかが一番効く
ここまで分かれば、手元の見積書のどこを見て、どこは見なくていいかを自分で決められます。
お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。
実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。
今後とも宜しくお願い致します。

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