見積チェックの清光です。
引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。
このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。
お手元にある引越しの見積書に、「実費」という欄はありますか。
金額が入っていなかったり、0円と書かれていたりして、後から別途請求が来るのではと気になっていませんか。
この記事では、見積書の実費が何を指すのか、そして実費欄が薄いまま進めてよいのかをお伝えします。

約款には実費という区分があるが、実務では独立して計算されていない
標準引越運送約款では、引越料金は運賃・実費・附帯サービス料の3つに分かれることになっています。
このうち実費は、高速代・資材費・駐車場代のように、その引越しで実際にかかる費用を指します。
ところが実務は、この建前どおりには動いていません。
高速代・資材費・駐車場代を個別に積算することは、私が営業をしてきた範囲ではほとんどありませんでした。
お客様から指摘されたことも、ほぼ無かったと記憶しています。
つまり実費欄が空だったり0円だったりするのは、営業が書き漏らしたわけではないんです。
※建物からの指定で、駐車料金を取られることが半年に1回程度(600件に1件)あります。皆様が引越される建物からの指定のため、基本的には駐車料金はお客様負担となります。
多くの場合、その分は基本料金のほうに溶けています。
資材費だけは、意図的に項目へ立てないことがあります
資材費には少し事情があります。
金額を明示すると「使わなかった分を返して」という話になるため、営業は立てたがらないんです。
ですから「資材費 0円」と書いてあっても、無料でもらえるとも、付いていないとも限りません。
実費は金額欄ではなく、品目で確認する
読み方はここで決まります。
実費の金額欄をどれだけ眺めても、そこから分かることはほとんどありません。
見るべきは金額ではなく、何がいくつ付くのかという品目のほうです。
- ダンボールやテープなどの梱包資材が、何がいくつ付くのかを品目で聞く
- ハンガーボックスや布団袋のように、貸し出しで後から返すものが含まれているかを聞く
- 使わなかった資材が返金の対象になるのかを、契約の前に確認しておく
- 高速道路を使う距離なら、その費用が総額に入っているかを一言確認する
この4つを聞けば、実費欄の空白はほぼ埋まります。
そして、この程度のことに答えられない会社はまずありません。
高速代や駐車場代を後から請求される心配は、ほぼありません
実費が計上されていないと、当日になって別途請求されるのではと不安になります。
ですが私の見てきた範囲では、高速代が後から別途請求されることはありません。
駐車場代についても同じです。
建物側から「そこに停めないと作業できない」と指定される場合のみ例外で、可能性は0.1%以下です。
追加料金が出るのは、実費が漏れていたときではありません。
打ち合わせた内容と、当日の内容がずれたときだけです。
当日に追加が出る条件
- 電話やメールで見積を取っていて、申告した内容と実際の荷物が違ったとき
- エアコンなどの電気工事で、ホース交換のような部品代が出たとき
- 退去の立ち会いや鍵の受け取りで、作業員に待機時間が出たとき
- 当日になって処分などのオプションを追加したとき
裏を返せば、これ以外では追加になりません。
実費欄が0円であること自体は、追加請求のサインではないということです。

実費より、条件が正しく伝わっているかを見る
ここまでを踏まえると、見積書で確認すべき場所は変わります。
実費の金額ではなく、条件が正しく伝わっているかどうかです。
追加が出るのは内容違いのときだけなので、内容がずれていなければ金額は動きません。
そして内容がずれたときに誰が責任を持つかは、見積の取り方で分かれます。
| 見積の取り方 | 当日に荷物が増えていたら |
|---|---|
| 訪問見積 | 営業の見落とし=会社が責任を取る |
| 電話・メール見積 | お客様の申告漏れ=請求されるか、積めなければ置いていく |
訪問見積を受ける理由は、安くなるからではありません。
内容がずれたときの責任を、会社側に置いておける保険だからです。
見積書全体をどこから読むかについては、引越しの見積書の見方でもお伝えしています。
Q. 実費の欄が無い見積書は、不親切な会社ということですか?
そうとは限りません。
実費を独立して積算していない会社のほうが多いので、欄の有無で会社の姿勢は測れないんです。
Q. 実費を細かく出してくださいと頼んでもいいですか?
頼んでかまいません。
ただ、出てきた数字が妥当かどうかはお客様の側から判断しにくいので、比べるのは条件をそろえた税込の総額にしてください。
Q. 資材が余ったら、その分は安くなりますか?
基本料金に含まれている形であれば、余っても金額は変わらないのが普通です。
気になるなら、契約の前に「使わなかったら返金されますか」と聞いておくのが確実です。
まとめ
- 約款上の実費という区分はあるが、実務では独立して積算されていないことが多い
- 「資材費 0円」は金額欄ではなく、何がいくつ付くのかという品目で確認する
- 高速代・駐車場代が後から別途請求されることは、ほぼない
- 追加が出るのは内容違いのときだけで、その責任は訪問見積なら会社側に置ける
実費欄が薄いことを、不安に思う必要はありません。
見る場所を金額欄から品目と条件に移せば、その見積書のまま進めてよいかをご自身で判断できます。
お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。
実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。
今後とも宜しくお願い致します。



























