ブログ

  • 引越しの見積もりがしつこいのはなぜ。連絡が続く理由と止め方

    引越しの見積もりがしつこいのはなぜ。連絡が続く理由と止め方

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    見積書はもう手元にあるのに、電話とメールだけが止まらない。そんな状態になっていませんか。

    断ったつもりなのに連絡が続くと、自分の伝え方が悪かったのだろうかと感じてしまいます。

    この記事では、引越しの見積もりの連絡がしつこいと感じる仕組みと、止めたいときの伝え方をお伝えします。

    数社分の見積書の横で光るスマートフォン
    紙は手元にあるのに、連絡だけが続く

    「検討します」は、断りとしては伝わっています

    まず、伝わっていないわけではありません。

    「検討します」と言われたときの営業の受け取り方は、「そうですか。やるなら連絡ください」です。

    つまり断りとしては届いています。ただ、可能性を残す言い方なので、追客の対象からは外れません。

    連絡が続くのは、あなたの断り方が下手だったからではありません。まだ決まっていない案件として、リストに残っているだけです。

    営業は説得もされませんし、断られて傷つきもしません。料金を出して、合えば取る、合わなければ次へ行くだけです。

    だから、はっきり断ることに気を遣う必要はありません。曖昧にするほど、営業の時間もあなたの時間も止まりません。

    止めたいなら、一言だけ足せば済みます

    やることは断り方を丁寧にすることではなく、可能性が残っているかどうかをはっきりさせることです。

    1. まだ迷っているのか、もう決めたのかを、自分の中で分ける
    2. 決めているなら「もういらない」とはっきり伝える
    3. 理由を一言添える(他社に決めた、日程が変わった、など)
    4. 迷っているなら「検討します」のままでよい。ただし連絡は続く前提で受ける
    5. 断ったあとで気が変わったら、あらためて声をかけ直す

    営業が一番ありがたいのは、はっきり断ってもらうことです。理由まで教えてもらえるとなお助かります。

    逆に一番困るのは、可能性を残されることです。追いかけ続けるしかなくなるからです。

    伝え方営業の受け取り方その後の連絡
    検討します断りとしては伝わる。ただし可能性は残る続く
    また連絡しますまだ決めていないと受け取る続く
    他社に決めました。もういらないですこの案件は終わったと分かる止まる

    言い方の丁寧さではなく、可能性を残したかどうかで結果が分かれます。

    引越しの見積もりがしつこいと感じる、もうひとつの理由

    オフィスで固定電話をかける引越会社の担当者

    鳴っている本数そのものが、会社の姿勢とは関係ないことがあります。

    一括見積サイトを使った場合、1人のお客様の情報が、3〜10社に同時に流れます。

    各社はその情報に1案件あたり1000円程度を払っています。成約時に15%程度という形もあります。

    だから、電話をかけてくる受付の人に悪意はありません。仕事としてかけています。

    メールのみ希望と書いても、仕組みの上ではあまり効きません。お金を払った各社が電話をかける動機は、それでは消えないからです。

    止めたいなら、かかってきた会社ごとに一言で伝えていくのが確実です。

    ただし、一括見積サイトを使うなという話ではありません。あの仕組みには、安くなるという実利があります。

    使えば安くなる代わりに電話が鳴り、営業の本気度も下がります。使わなければ電話は鳴らず丁寧に扱われますが、そのぶん高くなります。

    どちらを取るかは、あなたが決めることです。仕組みの詳しい話は一括見積サイトの仕組みに書いています。

    なお当サイトは、1件のご相談を複数社に売る形ではなく、1社にお取り次ぎしています。

    よくある疑問

    Q. はっきり断ったのに、また別の人から電話が来ました。

    大手だと、その後も理由を確認する電話がかかることがあります。

    断りが届いていないのではなく、社内で確認の連絡が回っているだけのことが多いです。同じ一言をもう一度伝えれば済みます。

    Q. 強く断ると、後から頼みたくなったときに気まずくなりませんか?

    気まずくなりません。一度断った会社にあらためてお願いするのは、まったくかまわないことです。

    営業は感情ではなく仕事として処理しています。戻ってきた話は、むしろ歓迎されます。

    Q. 連絡が多い会社は、避けたほうがいいですか?

    電話の本数は、その会社の作業品質を表していません。一括見積サイト経由なら、どの会社も同じ動きになります。

    見るのは回数ではなく、条件をそろえた税込総額と、聞いたことに答えが返ってくるかどうかです。

    まとめ

    • 「検討します」は断りとして伝わっているが、可能性を残すので追客からは外れない
    • 止めたいなら「もういらない」とはっきり伝える。理由が一言あるとなお早い
    • 鳴る本数は会社の姿勢ではなく、情報が何社に流れたかで決まる
    • 一括見積サイトは安くなる代わりに電話が鳴る。どちらを取るかは自分で決める
    • 一度断った会社に、後から戻ってもかまわない

    ここまで分かれば、次に鳴った電話に何と答えるかを、迷わず決められるはずです。

    断るのは失礼ではなく、お互いの時間を止める親切です。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 訪問見積もりの断り方。その場で断る前にやること

    訪問見積もりの断り方。その場で断る前にやること

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    訪問見積もりが終わって金額を見た瞬間に、「ここではないな」と思ったことはありませんか。

    それでも目の前に営業が座っていると、断り方が分からなくて「検討します」と言ってしまう。

    この記事では、その場で断ってしまって構わない理由と、断る前に一つだけやっておくことをお伝えします。

    訪問見積もりの場。営業とお客様が見積書を挟んで向かい合っている
    断られた営業は、淡々と次へ向かうだけです。

    訪問見積もりの場で、その場で断っていい理由

    断られた営業がそれをどう受け取っているかを、先に書きます。

    私の見てきた範囲では、営業は説得されませんし、断られても傷つきません。

    料金を出して、条件が合えば取る、合わなければ次へ行く。それだけの動き方をしています。

    だから一番ありがたいのは、はっきり断ってもらうことです。

    できれば理由も教えてもらえると助かります。次の見積で何を直せばいいかが分かるからです。

    逆に一番困るのは、可能性を残されることです。

    「検討します」は、断りとしては伝わっている

    「検討します」と言われた営業は、「そうですか、やるなら連絡ください」と受け取ります。

    つまり断りとしては伝わっています。ただ可能性を残す言い方なので、追客の対象からは外れません。

    断ったつもりなのに連絡が続くのは、このためです。

    断る前に、一つだけやっておくこと

    その場で断る前に、他社の見積金額を出しておいてください。

    世間では他社の金額は言わないほうが安くなると言われますが、少なくとも実務とは合いません。

    隠されると、営業は自社が安くできるのかどうかを判断できないからです。

    営業は「この客はいくらなら決まるのか」を測れないので、様子見の金額を出すか、そのまま離れます。

    見せてもらえれば話が早く、「ここまでは頑張れます」とその場で答えられます。

    動き方は単純で、他社より安くできるなら下げますし、他社より高くなるなら引きます。

    つまり黙って断ると、下がったはずの金額が下がらないまま終わります。

    他社の金額を出したうえで、それでも合わなければ、そこで断れば済む話です。

    訪問見積もりの断り方。その場での手順

    順番に意味があります。金額を出す前に断ってしまうと、動くはずだったものが動きません。

    1. 手元にある他社の見積書を出す。会社名まで言う必要はなく、条件をそろえた税込の総額を見せれば十分です
    2. そのうえで出てきた金額を聞く。ここで下がるなら、断る理由が一つ減ります
    3. それでも合わなければ「他社さんにお願いすることにしました」とはっきり伝える
    4. 理由を一言添える。金額なのか、日程なのか、それだけで営業は納得します
    5. 連絡まで止めたいなら「もういらない」と言い切る。「検討します」で終えると、連絡は続きます
    断ったつもりでも連絡が続くスマートフォン

    電話やメールも含めた断り方全般と、断ることへの罪悪感については引越の見積を断るのが苦手な人へに書きました。

    よくある質問

    Q. その場で断ると、感じが悪いでしょうか?

    営業は仕事として処理しているので、感情の問題にはなりません。

    曖昧にしておくほうが、営業の時間も自分の時間も減っていきます。

    Q. 一度断った会社に、後からお願いしてもいいですか?

    全然かまいません。気まずくもなりません。

    他社が思ったほど安くなかった、希望の日程が押さえられなかった。戻る理由はいくらでもあります。

    Q. 「今日決めてくれれば安くします」と言われたら?

    即決割引は実在しますし、実際に安くはなります。

    ただ値引きの9割以上は高く出した定価からの値引きなので、値引き額そのものに情報価値はありません。

    比べるのは条件をそろえた税込の総額だけです。急いでいるのは営業側の事情で、あなたの事情ではありません。

    まとめ:訪問見積もりの断り方で覚えておくこと

    • 断る前に、他社の見積金額を出す。隠したまま断ると、下がったはずの金額が下がらないまま終わります
    • 断るなら、その場ではっきりと。「検討します」は断りとしては伝わりますが、連絡は止まりません
    • 連絡まで止めたいなら「もういらない」と言い切る
    • 一度断った会社にも、後から戻れます

    この4つが分かっていれば、訪問見積もりの場で言葉に詰まることはなくなります。

    断ることは、営業にとっても親切です。手元の見積書を、遠慮ではなく金額と条件で選べるようになります。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しでトラックが入らない。追加料金になるのはどんなときか

    引越しでトラックが入らない。追加料金になるのはどんなときか

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    見積書に「横持ち」と書かれていたり、営業から「この道だとトラックが家の前まで入らないので」と言われたりしていませんか。

    当日になって追加料金を請求されるのではないか、と気になっているところだと思います。

    この記事では「入らない」の二つの意味を分けたうえで、どんなときに追加料金になり、どんなときにならないのかをお伝えします。

    台車を両手で押して、横持ちで荷物を運ぶ作業員
    横付けできないと、台車で運ぶ距離が出ます

    引越しで「トラックが入らない」には二つある

    ひとつは、道が狭くてトラックが家の前まで入らない場合です。

    もうひとつは、荷物がトラックの荷台に入りきらない場合です。

    この二つは、見積書の上でも当日の扱いでも別物として動きます。

    ところがご相談を受けていると、どちらも同じ「トラックが入らない」という言葉で心配されていることが多いんです。

    まず、両方に共通する部分からお伝えします。

    追加料金は、内容が違ったときにしか出ません

    私の見てきた範囲では、当日の追加料金は「内容違い」でしか発生しません。

    電話見積での申告と実際のズレ、電気工事の部品代、待機時間、当日に急に足したオプション。出てくるのはこのあたりです。

    逆に言えば、条件が変わっていないのに、その場の裁量で金額が上がることはありません。

    だから問題は「道が狭いこと」そのものではないんです。

    その道の狭さが、見積の時点で相手に伝わっていたかどうか。ここで結果が分かれます。

    追加料金そのものの範囲については、引越し当日の追加料金は、内容が違ったときだけ出ますでも書いています。

    道が狭い場合。伝わっていれば条件、当日に分かれば内容違い

    トラックを家の前に停められないと、荷物を台車で運ぶ距離が出ます。これを横持ちと呼びます。

    横持ちがあると、同じ荷物量でも必要な人数と時間が変わります。

    私の場合も、金額の決裁より先に「その日に作業できるか」「その内容に対応できるか」を見ています。

    道の条件は、この「対応できるか」のほうに入ってきます。

    ですから、道が狭いこと自体は追加料金の理由になりません。

    見積の前に分かっていれば、その分を織り込んだ車両と人員で金額が出ているからです。

    問題になるのは、当日に初めて分かった場合です。

    このときは内容違いとして扱われ、責任がどちらにあるかは見積の取り方で変わります。

    荷物が積みきれなかったら、置いていくことになります

    積みきれずに残った荷物。段ボールは荷台の奥から積まれている

    荷台に入りきらなかったものは、置いていくしかありません。

    その場でもう一台を手配できることは、まずないからです。

    そして作業では、安全のため先にダンボールから積みます。

    そのため、梱包が終わっていない小物は運べない傾向が強いです。

    「積みきれないかもしれない」と感じているなら、前日までに梱包を終わらせておくことが一番効きます。

    責任は、見積の取り方で分かれます

    当日に内容が違っていたとき、誰がそれを引き受けるかは見積の取り方で決まります。

    見積の取り方 当日に内容が違っていたら
    訪問見積 営業の見落とし=会社の責任。会社側が飲むことになる
    電話・メール見積 お客様の申告漏れ=お客様の責任。請求されるか、積めなければ置いていく

    訪問見積では、営業が道幅も搬出の経路も自分の目で見ています。

    だから見落としがあれば、それは営業の側の落ち度になります。

    訪問見積を受ける理由は、安くなるからではありません。この責任の置きどころが変わるからです。

    道が狭い建物や、荷物量に自信がない引越しほど、訪問見積は保険として効きます。

    見積書のどこを見ればいいか

    1. 前面道路の幅と、トラックをどこに停める前提なのかが書かれているか。書かれていなければ聞く
    2. 横持ちの有無と、およその距離が伝わっているか
    3. 手配される車両の大きさが書かれているか
    4. 階数とエレベーターの有無が正しく入っているか
    5. 荷物の前提(部屋数・大きな家具・当日までに増える見込み)が伝わっているか

    ここで見ているのは金額欄ではありません。条件欄のほうです。

    車両費や作業員費の金額そのものは、お客様の側に妥当性を判定する材料がありません。

    比べられるのは、条件をそろえた税込の総額と、同じ条件で出した他社の金額だけです。

    よくある疑問

    Q. 道が狭いと先に伝えたら、金額を上げられませんか?

    伝えたから上がるのではなく、その条件に必要な人数と時間が最初から入るだけです。

    黙っていても当日には分かることなので、隠して得になる場面がありません。

    Q. 小さいトラックに変えてもらえば安くなりますか?

    車両を小さくすれば、積みきれなかった分は置いていくことになります。

    物量の判断はプロの仕事なので、こちらから車両を決めにいかないほうがいいです。

    Q. 荷物が増えそうなのですが、いま言うべきですか?

    言っておくほうが早いです。増える見込みも含めて伝われば、それは前提として金額に入ります。

    当日に増えていた場合、電話やメールの見積では申告漏れとして扱われます。

    まとめ

    • 「トラックが入らない」は、道に入らない場合と、荷台に入りきらない場合の二つ
    • 当日の追加料金は内容違いでしか出ない。道が狭いこと自体は理由にならない
    • 先に伝わっていれば条件として金額に入り、当日に分かると内容違いになる
    • 積みきれなかったものは置いていくしかない。先にダンボールから積むので、梱包の終わっていない小物ほど残る
    • 内容違いの責任は、訪問見積なら会社、電話・メールならお客様
    • 見るのは金額欄ではなく、道と停める場所・横持ち・車両・階数・荷物の前提が入った条件欄

    ここまで確認できれば、お手元の見積書が当日そのまま通る紙かどうかを、ご自分で判断できます。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しの営業の決裁権はどこまで?線を探すより条件を動かす

    引越しの営業の決裁権はどこまで?線を探すより条件を動かす

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    目の前の営業が「上司に確認します」と席を立ったとき、この人はどこまで決められるんだろう、と思いませんでしたか。

    引越しの営業の決裁権がどこまであるのかは、残念ながら見積書からは読めません。

    この記事では、その線を探るより先にやったほうがいいことをお伝えします。

    引越しの営業が窓際で電話をかけて確認している場面
    決裁の線は、外からは見えません

    「上司に確認します」の裏で、営業が見ているもの

    金額を下げてほしいと伝えると、多くの営業は一度持ち帰ります。

    ただ、そこで確認しているのは金額だけではありません。

    私の場合は、金額の決裁より先に「その日に作業できるか」「その内容に対応できるか」を見ています。

    日程や作業内容が合わないなら、値段の話をしても引き受けようがないからです。

    会社に勤めている営業の場合、値引きの限界は原価・車両の稼働・上長の決裁で決まっているはずです。

    ただ、その線がどこにあるかは会社ごとに違いますし、外からは見えません。

    つまり「この営業はどこまで決められるのか」は、お客様の側からは確かめようがない情報です。

    引越しの営業の決裁権を探っても、金額はあまり動きません

    「高い」と言われたとき、営業は説明して納得させにいきません。

    料金を出して、合えば取る、合わなければ捨てる。私の見てきた範囲では、それだけです。

    安く取っても続かないので、合わない案件はハズレと考えて次へ行きます。

    だから、決められる人を引っぱり出そうとしても、営業の側は説得されません。

    むしろ値切りの圧をかけられるほど、安くしたくなくなります。

    もうひとつ、引き出した値引き額そのものにも情報価値はありません。

    私の見てきた範囲では、値引きの9割以上は高く出した定価からの値引きです。

    「決裁を通して大きく引きました」と言われても、引く前の金額に根拠がなければ判断材料になりません。

    比べるべきなのは、条件をそろえた最終的な税込総額だけです。

    金額がどこまで下がるのかという話は引越しの値引きの限界について書いた記事にまとめています。

    あちらが金額の話で、こちらは「誰が決めているか」の話です。

    決裁権の線を探すより、渡す材料を変える

    営業が動くのは、説得されたときではなく、下げる理由が見つかったときです。

    手元の見積書を前にしてできることは、次の4つだと考えています。

    1. 他社の見積書は金額まで見せる。隠されると、営業は自社が安くできるのかを判断できません。見せてもらえれば「ここまでは頑張れます」と早く答えられます。
    2. 事情と希望を言葉にする。値切りの圧をかけられるより、事情を聞けたほうが営業は動けます。
    3. 動かせる条件を先に出す。土日祝を平日に振れないか、開始時間の枠を業者側に任せられるか。金額が動くのはここです。
    4. 決める人が誰かを先に伝える。営業は部屋に入って、まず家族の中で誰が決める人かを探しています。持ち帰って相談する前提なら、そう言ってしまったほうが話は早くなります。

    この4つは、目の前の営業に決裁権があってもなくても効きます。

    営業の側から見れば、どれも「下げてよいかどうか」を決めるための材料だからです。

    引越しの営業と話す前に、よくある疑問

    引越しの訪問見積で営業を迎える日本の住宅の玄関

    Q. 「上司に確認します」は、本当に確認しているんですか?

    本当のところは分かりません。持ち帰って相談する会社もありますし、間の取り方として使う人もいます。

    ただ、どちらであっても手元の見積書は変わりません。読むのは経緯ではなく、条件をそろえた税込総額です。

    Q. 上の立場の人を出してもらったほうが安くなりますか?

    決裁の高さより、下げる理由があるかどうかで決まります。

    他社の金額や、空いている日程という材料が無ければ、誰が出てきても同じ金額です。

    Q. その場で出される即決割引は、営業の裁量ですか?

    即決割引は実在しますし、実際に安くはなります。

    ただ、基準になっている定価に根拠があるとは限らないので、得かどうかは総額で見てください。

    急いでいるのは営業側の事情であって、お客様の事情ではありません。

    まとめ

    • 引越しの営業の決裁権がどこまであるかは、会社ごとに違い、見積書からは読めない
    • 営業は説得されない。合わなければ説明も譲歩もせず、次へ行くだけ
    • 動くのは、他社の金額・事情・日程という材料が渡ったとき
    • 値引き額ではなく、条件をそろえた税込総額で比べる
    • =誰が決めているかを確かめられなくても、手元の見積書は判断できる

    条件が合わないと感じたら、はっきり断ってしまって大丈夫です。

    可能性を残されるほうが営業は困りますし、後から戻ってきても歓迎されます。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越し当日の追加料金は、内容が違ったときだけ出ます

    引越し当日の追加料金は、内容が違ったときだけ出ます

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    引越し当日になって追加料金を請求されたらどうしよう、と身構えていませんか。

    手元の見積書の金額が最終的にいくらになるのか、確信が持てないまま当日を待つのは落ち着かないものです。

    この記事では、当日の追加料金がどういうときに出るのか、そして手元の紙のどこを見ればその心配が減るのかをお伝えします。

    手元の見積書に書かれた内容と、実際の中身が合っているか
    当日の追加料金は、この紙の内容と実際が違ったときだけ出る

    引越し当日の追加料金は「内容違い」でしか発生しない

    先に結論をお伝えします。

    当日に追加料金が出るのは、見積のときに聞いていた内容と、実際の中身が違ったときだけです。

    私の見てきた範囲では、発生する場面はだいたい次のどれかに収まります。

    • 電話やメールで見積を取り、申告した内容と実際にズレがあった
    • 電気工事で部品の交換が要った(エアコンのホース交換など)
    • 退去の立ち会いや鍵の受け取りで、待ち時間が出た
    • 当日になって、処分などのオプションを追加した

    逆に言えば、条件が変わっていないのに現場の裁量で金額が上がることはありません。

    追加料金はその日の空気や作業員の判断で決まるものではなく、条件が変わったときにだけ動くものなんです。

    高速代や駐車場代が、あとから来ることはほぼありません

    見積書の実費欄が空欄だったり、0円になっていたりすると不安になりますよね。

    後から高速代をまとめて請求されるのではないか、という心配です。

    私の経験では、高速代が別途請求されることはありません。

    駐車場代も同じで、建物側から「そこに停めないと作業できない」と指定される場合だけが例外です。

    その例外に当たることは、ほとんどありません。

    実費が独立して積算されていないのは、多くの場合それが基本料金のほうに溶けているからです。

    ですので、実費欄の金額を検算しても、当日の心配は減りません。

    荷物が増えていたとき、責任は見積の取り方で分かれます

    当日に一番起きやすい内容違いは、荷物が見積のときより増えていた、というものです。

    ここは、どうやって見積を取ったかで扱いが変わります。

    見積の取り方 当日に荷物が増えていたら
    訪問見積 営業の見落とし=会社の責任として処理される
    電話・メール見積 申告漏れ=お客様の責任。請求されるか、積めなければ置いていく

    訪問して物量を見たのは営業ですから、そこで見落としたなら会社が飲みます。

    一方、電話やメールで金額を出していた場合、前提をつくったのはお客様の申告です。

    訪問見積でお客様が物量を見せる場面。見落としたなら会社の責任になる

    ですから訪問見積を受ける理由は、安くなるからではありません。

    当日のリスクを会社側に置いておけるからで、値切りの手段ではなく保険に近いものです。

    この点は訪問見積を受けるべき理由は、安さではなく保険で詳しく書いています。

    だから、見積書のどこを見るか

    当日の追加料金を心配して見るべきなのは、金額欄ではありません。

    次の条件欄が、実際と合っているかどうかです。

    1. 引越日と開始時間の枠が、聞いていたとおりに書かれているか
    2. 階数とエレベーターの有無、トラックを停める場所の前提が正しいか
    3. エアコン・食洗機・ウォシュレット・アンテナの脱着に、確認のチェックが入っているか
    4. 荷物の前提(部屋数・大型家具・処分するもの)が実際と合っているか
    5. 金額が税込か税別か

    追加料金は条件が変わったときにだけ出るものでした。

    ということは、条件が正しく伝わっているかどうかが、そのまま当日の安心につながります。

    そして条件欄は、金額を動かせる場所でもあります。

    土日祝を平日に振れないか、開始時間の枠を融通できないか。値引きをお願いするより、こちらのほうが金額は動きます。

    先に出てきそうな疑問

    Q. 当日に「これは見積に入っていません」と言われたら、その場で払うべきですか?

    まず、何がどう違っていたのかを聞いてください。

    内容違いであれば理由は説明できるはずで、説明の出てこない請求は追加料金とは呼べません。

    Q. 荷造りが終わっていなかった場合は、追加料金になりますか?

    追加料金というより、梱包できていないものは運べない、という形で返ってきます。

    安全のため先にダンボールから積むので、箱にも袋にも入っていない小物は残されます。

    Q. トラックに全部入らなかったら、もう1台来てもらえますか?

    その場で車両を足せるかどうかは、その日の空き次第です。

    積めないものは置いていくことになるので、荷物の前提を先に合わせておくほうが確実です。

    まとめ

    • 引越し当日の追加料金は、見積のときと内容が違ったときにしか出ない
    • 高速代・駐車場代が後から別途来ることは、まずない
    • 荷物が増えていたときの責任は、訪問見積なら会社、電話・メールならお客様
    • だから見るのは金額欄ではなく、日程・開始時間の枠・階数・脱着・荷物の前提という条件欄

    条件欄が正しく伝わっているかを確かめられれば、当日に何が起きるかは事前に読めます。

    当日の不安は、金額欄ではなく条件欄のほうで減らせる、ということです。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しの一括見積サイトの仕組み。電話が鳴る理由と得失

    引越しの一括見積サイトの仕組み。電話が鳴る理由と得失

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    一括見積サイトに登録した途端、電話が鳴り止まなくなっていませんか。

    そして手元には、条件のそろっていない見積書が何枚か残っている。そんな状態かもしれません。

    この記事では、一括見積サイトの仕組みと、そこから届いた見積書をどう読むかをお伝えします。

    使うべきか、使わないほうがいいか、という結論は出しません。それを決めるのはあなただからです。

    一括見積サイトに登録した後、何社もから電話がかかってくる場面
    電話が鳴り続けるのは、仕組みの結果です

    一括見積サイトの仕組みは、1件の情報が同時に複数社へ流れること

    あの電話ラッシュは、引越会社が意地悪をしているわけではありません。

    仕組みとして、1人のお客様の情報が3〜10社に同時に流れます。

    そして各社は、その1案件あたり1000円程度を払っています。成約したときに15%程度、という形もあります。

    お金を払って買った情報なので、会社としては何としても繋ぎたい。だから何度もかかってくるんです。

    電話をかけてくる受付の方に悪意はありません。仕事としてかけているだけです。

    ここを知っているだけで、受け取り方はずいぶん楽になると思います。

    仕組みが分かると、営業の温度差も読める

    営業の側から見ると、一括見積サイト経由の依頼と、会社のサイトからの直接依頼は別物です。

    一括経由だと「どうせ他社も安く出すのだろう」と身構えます。安く叩かれるくらいならいらない、という温度です。

    直接依頼だと「選んでもらえたのだから最後まで担当したい」となります。実際、単価も一括サイト経由より高くなります。

    これは私の見てきた範囲での話ですが、この差ははっきりあります。

    だから、得か損かはあなたが何を優先するかで決まる

    ここは片方だけ書くと嘘になるので、両方お伝えします。

    得られるもの引き換えに失うもの
    一括見積サイトを使う安くなる複数社から電話が鳴る/営業の本気度が下がる
    使わない電話は鳴らない/丁寧に扱われる高くなる

    安さを取るか、当日までの安心を取るか。一律の正解はありません。

    どちらを取るかは、あなたが決めることです。

    なお当サイトは、1件のご相談を複数社に売る形ではありません。1社に取り次ぐ形です。

    ですので「どうせ他社も安く出すのだろう」という状況にはなりません。そこだけ違いとしてお伝えしておきます。

    集まった見積書は、条件をそろえてから比べる

    一括見積で集めた見積書は、条件がばらつきやすいのが難点です。

    同じ日に複数社を呼べば1日で終わりますが、どの会社がどの条件だったかが混ざります。

    相見積は3社くらいが扱いやすいところです。多いほど時間がかかり、比較のほうが崩れます。

    条件をそろえて複数の見積書を見比べるテーブル

    そのうえで、比べるのは条件をそろえた税込の総額だけです。

    車両費や作業員費の内訳を細かく見ても、お客様の側に妥当性を判定する材料がありません。

    値引き額の大きさも判断材料にはなりません。値引きの多くは、高く出した金額からの値引きだからです。

    金額を動かしたいなら、値切るより条件を動かす

    営業は、粘られても説明も譲歩もせずに次の案件へ行きます。だから交渉のテクニックはあまり効きません。

    代わりに効くのは条件のほうです。

    土日祝を平日に振れないか。開始時間の枠を会社側に預けられないか。

    まずはこの2つを考えてみてください。

    それと、他社の金額は隠さないほうが話が早く進みます。

    隠されると、営業は自社が安くできるのかどうかを判断できないままになります。

    鳴り続ける電話は、はっきり断って構いません。引越の見積を断るのが苦手な人へでも書きましたが、曖昧にされるほうが営業も困ります。

    よくいただく質問

    Q. メールのみ希望にすれば、電話は減りますか?

    仕組み上、あまり効きません。1000円を払った各社が電話をかける動機は、それでは消えないからです。

    Q. 一括見積で下がった金額は、本当に安いのでしょうか?

    下がったこと自体は事実です。ただ、下がる前の金額に根拠があるとは限りません。

    ですので、値引き額ではなく最終の税込総額で比べてください。

    Q. 電話が来た会社を、全部は呼びたくありません。

    呼ばなくて構いません。どんな営業が来るかは運の要素も大きく、社数を増やすほど良くなるものでもありません。

    一度断ったあとで、やっぱりお願いしたいと戻っても気まずくなりません。

    まとめ

    • 一括見積サイトの仕組みは、1件の情報が3〜10社に同時に流れること。電話が鳴るのはそのため
    • 安くなる代わりに営業の本気度は下がる。使わなければ丁寧に扱われるが高くなる
    • 比べるのは条件をそろえた税込総額だけ。内訳と値引き額では妥当性を測れない
    • 金額を動かすなら、値切るより土日祝→平日・開始時間の枠を動かす
    • =手元の何枚かのうち、どれを残すかを自分で決められるようになります

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しの見積書に有効期限がある理由と、切れたときの読み方

    引越しの見積書に有効期限がある理由と、切れたときの読み方

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    お手元の引越しの見積書に「有効期限」という日付を見つけて、いつまでに決めればいいのか迷っていませんか。

    この記事では、その日付が実際には何を指しているのか、そして期限が切れたときにどうすればいいのかをお伝えします。

    手元の見積書で有効期限を確かめる場面
    期限の日付より、条件欄が先

    有効期限は、金額を約束している日付ではありません

    先に結論を書きます。

    見積書の有効期限は「この日までなら同じ金額で受けます」という約束というより、会社側が「この条件なら押さえておけそうだ」と考えている範囲です。

    なぜ約束になりきらないのか。理由は、金額の決まり方にあります。

    引越の料金は、荷物と距離だけで出ているわけではありません。

    実務では、物量・付帯サービス・開始時間の枠・日程・距離の組み合わせで金額が決まっています。

    このうち日程と開始時間の枠は、その時点で空いているかどうかの話です。同じ荷物・同じ距離でも、開始時間の枠と日程の混み具合で金額は動きます。

    つまり金額が紐づいている先は、紙に書かれた日付ではなくその日その枠がまだ空いているかのほうなんです。

    基本料金が何で決まっているのかは引越しの基本運賃とは。距離と荷物だけでは決まらないで詳しく書いています。

    だから、こういうことが起きます

    • 期限内なのに、その日の枠が埋まっていて同じ金額が出ない
    • 期限が過ぎているのに、枠が空いていて同じ金額が出る
    • 期限の記載が無くても、金額そのものは生きている

    期限の日付を守れたかどうかより、その日程と時間帯がまだ空いているかのほうが効いてきます。

    「今日決めていただければ」は、誰の事情か

    有効期限が極端に短い見積書もあります。その日のうち、あるいは訪問中の数時間、という形です。

    これは金額の性質から出てきた期限ではなく、決めてもらうために引かれた線だと考えたほうが読み違えません。

    即決を迫られる理由は、営業が上司から詰められているからだろうと私は見ています。少なくとも、お客様側の事情ではありません。

    期限とセットで出てくるのが「今日なら◯万円お引きします」という提示です。

    ただ、値引き額そのものに情報価値はありません。

    値引き前の金額に根拠があるとは限らないからです。比べるのは、条件をそろえた税込の総額だけで足ります。

    引越し当日の作業の枠を左右する玄関と廊下

    手元の見積書で、有効期限をどう読むか

    実際の見方を順番にします。

    1. 期限より先に、引越日と開始時間の枠を見る。日付と時間帯が書かれていなければ、その金額はまだ何にも紐づいていません
    2. 期限が短すぎないかを見る。その日のうち、という線なら、それは金額の話ではなく決めてもらうための線です
    3. 条件欄が正しいかを確かめる。階数・エレベーターの有無・エアコンなどの脱着の有無が違っていれば、期限内でも金額は変わります
    4. 期限が近いなら、同じ条件で出し直してもらう。取り直しは普通の作業で、嫌がられることではありません
    5. 金額を動かしたいなら、期限ではなく条件を動かす。土日祝を平日に振れないか、開始時間の枠を譲れないかのほうが大きく動きます

    よくある疑問

    Q. 有効期限が書かれていない見積書は、不備ですか?

    不備ではありません。期限を入れない会社もあります。

    見るべきは期限の有無ではなく、引越日・開始時間の枠・階数といった条件が正しく書かれているかどうかです。

    Q. 期限が切れた後に、同じ会社へ頼み直してもいいですか?

    かまいません。一度断った相手から戻ってきても、営業は気まずく思いません。

    ただし同じ金額が出るとは限りません。空いている枠が変わっていれば、金額のほうも変わります。

    Q. 期限を延ばしてもらうことはできますか?

    頼めば延ばしてくれることはあります。ただ、延ばしてもらっても金額はほとんど動きません。

    期限を引き延ばす交渉より、平日に振れないかを聞くほうが効きます。

    まとめ

    • 有効期限は金額の約束ではなく、会社側が押さえておけると考えている範囲
    • 金額に効いているのは日付ではなく、その日程と開始時間の枠が空いているか
    • 極端に短い期限は、金額の性質ではなく決めてもらうための線
    • 期限つきの値引き額ではなく、条件をそろえた税込総額で比べる
    • 期限が切れても取り直せる。戻っても気まずくならない
    • 動かすなら期限ではなく、土日祝から平日へ、開始時間の枠、という条件のほう

    ここまで分かれば、紙の日付に急かされずに、その見積書を条件のほうで判断できます。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しの見積書がもらえない。口頭の金額をどう扱うか

    引越しの見積書がもらえない。口頭の金額をどう扱うか

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    電話で金額だけ言われて、引越しの見積書がもらえないままになっていませんか。

    金額はメモしたけれど、何を前提にした金額なのかが手元に残っていない。そんな状態だと思います。

    この記事では、なぜ紙が出てこないことがあるのか、そして紙を受け取るときに金額より先に見るべき場所をお伝えします。

    玄関先で、引越会社の営業が書面を渡さずに口頭で金額を伝えている場面
    見積の話は、この玄関から始まります

    引越しの見積書がもらえない状態には、二つあります

    ひとつは、まだ正式な見積の手前にいる場合です。

    電話やメールで荷物をざっと聞いて金額を答える段階では、紙にせず口頭で済ませることがあります。

    もうひとつは、正式に頼んだのに紙が出てこない場合です。

    読者から見るとどちらも同じ「もらえない」ですが、意味はまったく違います。

    標準引越運送約款では、引越の料金は運賃・実費・附帯サービス料に分けて示すことになっています。

    金額は本来、条件とセットで示されるものだということです。

    私の見てきた範囲でも、内訳は聞かれればすぐ答えられるものでした。

    総額しか書かれていない見積書でも、内訳を出せない会社は多くありません。

    だから、問題は「紙が無いこと」そのものではなく、頼んでも出てこないことのほうです。

    まだ何も言っていないなら、まず出してくださいと伝えるところからです。

    紙が要るのは、金額のためではありません

    見積書を求める理由を「金額を約束させるため」だと考えている方が多いのですが、実務での意味は少し違います。

    紙が効くのは、何を前提にその金額が出たのかを残せるからです。

    引越しの当日に追加の請求が出るのは、条件が変わったときです。

    追加料金は現場の裁量で恣意的に取られるものではなく、申告した内容と実際がずれたときに出ます。

    ここで効いてくるのが、見積の取り方の違いです。

    見積の取り方 当日に荷物が増えていたら
    訪問見積 営業の見落としとして、会社の側が引き受ける
    電話・メール見積 申告漏れとして、お客様の側の負担になる

    訪問見積が効くのは、安くなるからではありません。この点は訪問見積を受けるべき理由は、安さではなく保険で詳しく書きました。

    そして、その前提を書き留めておく道具が見積書です。

    紙が無ければ、何をどう伝えたのかは双方の記憶にしか残りません。

    当日にずれが出たとき、指させるものが無い状態になります。

    紙を受け取ったら、金額より先にここを見ます

    金額欄を検算しても、妥当かどうかの答えは出ません。

    車両費や作業員費は、お客様の側に相場が見える項目ではないからです。

    見るのは、条件が正しく写っているかどうかです。

    1. 引越日と、作業の開始時間の枠(午前・午後・時間指定なし のどれか)
    2. 現住所と新居の階数、エレベーターの有無、トラックを建物の前に着けられるか
    3. 電気工事の脱着(エアコン・食洗機・ウォシュレット・BSアンテナ)の有無にチェックが入っているか
    4. 荷物の前提(どの部屋の何を運ぶ前提か、置いていくものがあるか)
    5. 総額が税込か、税別か

    この五つが埋まっていれば、当日に何かが変わったとき、変わったのはどこかを指させます。

    埋まっていなければ、その場の話し合いは記憶と記憶のぶつけ合いになります。

    電話で伝えられた金額を書き留めるための、無地のメモ帳とペン

    条件の欄は、金額を動かせる場所でもあります

    条件を確かめる作業には、もうひとつ効き目があります。

    金額を決めているのは荷物と距離だけではなく、開始時間の枠や日程の混み具合も入っているからです。

    お客様が見落としやすいのが、この二つです。同じ荷物・同じ距離でも、ここで金額は動きます。

    だから、金額を下げてほしいと頼むより、動かせる条件のほうを動かすほうが早いです。

    土日祝を平日に振れないか、開始の時間帯を会社の都合に合わせられないか。

    紙があれば、この相談は条件の欄を見ながらできます。

    よくある質問

    Q. 口頭で言われた金額は、約束になりますか?

    金額そのものより、前提が残っていないことのほうが問題になります。

    「聞いていた話と違う」となったとき、双方に確かめる材料がありません。

    Q. 見積書をくださいと言うと、しつこく営業されませんか?

    紙を頼んだことが、追いかけられる理由になるわけではありません。

    営業が困るのは断られることではなく、可能性を残されることです。要らなければ、はっきり伝えたほうが早く終わります。

    Q. 総額だけの紙しか出てきませんでした。

    内訳は、聞けば出てくることがほとんどです。まず聞いてみてください。

    そのうえで出てこないようなら、そこは金額以前の判断材料になります。

    まとめ

    • 「もらえない」には、まだ概算の段階と、頼んでも出てこない場合の二つがある
    • 内訳を出せない会社は多くないので、まずは出してくださいと言うところから
    • 紙の役目は金額の約束ではなく、何を前提にした金額かを残すこと
    • 当日の追加は条件が変わったときに出る。前提が紙にあるほど、話は短く済む
    • 見るのは金額欄ではなく、引越日と開始時間の枠・階数とエレベーター・電気工事・荷物の前提・税込かどうか
    • 条件の欄は、金額を動かせる場所でもある

    =手元に紙が無くても、次に何を出してもらえばいいかが分かるようになります。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しの基本運賃とは。距離と荷物だけでは決まらない

    引越しの基本運賃とは。距離と荷物だけでは決まらない

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    お手元の見積書の上のほうにある「基本運賃」、これが何の代金なのか分からないまま眺めていませんか。

    総額の大半をこの一行が占めているのに、何で決まった金額なのかは、どこにも書かれていません。

    この記事では、引越しの基本運賃とは何で決まっているのかと、その金額をどう読めばいいのかをお伝えします。

    引越しの見積で条件として見られる玄関と廊下
    基本運賃は、部屋の条件から組み上がっています

    引越しの基本運賃とは、約款上は「運ぶことの代金」

    標準引越運送約款では、引越料金は運賃・実費・附帯サービス料の3つに分かれることになっています。

    このうち運賃が、荷物を運ぶことそのものの代金にあたります。

    実費は高速代や資材費など、附帯サービス料は梱包や電気工事など、運ぶこと以外にかかる代金という建前です。

    ただ、これはあくまで建前の話です。

    実務では、この3つがきれいに割れているわけではありません。

    実費を個別に積算した見積書は、私の見てきた範囲ではほとんどありませんでした。

    つまり見積書の基本運賃は、約款が言う「運ぶことの代金」より広い中身を抱えている、と思って読むほうが実態に近いです。

    実務で基本運賃を決めている5つの要素

    では、その金額は何で決まっているのか。距離と荷物の量だけではありません。

    1. 物量:荷物の量。トラックの大きさと作業員の人数がここで決まります
    2. 付帯サービス:梱包、エアコンなどの電気工事、クレーン作業
    3. 開始時間の枠:午前を指定するのか、午後か、時間を会社に預けるのか
    4. 日程:その日の混み具合、繁忙期かどうか、土日祝かどうか
    5. 距離:旧居から新居までの移動

    この5つのうち、お客様が見落としやすいのは3つめの開始時間の枠と、4つめの日程です。

    同じ荷物・同じ距離でも、開始時間の枠と日程の混み具合で金額は動きます。

    他社より高い見積書が出てきたとき、その差が荷物の見立ての違いではなく、この2つから出ていることは珍しくありません。

    「安くしたい」と言われたときに、営業がまず探すのもここです。

    引越しの基本運賃を左右する家具のある寝室

    だから基本運賃は、金額ではなく条件で読む

    基本運賃をさらに割って、車両費や作業員費が妥当かどうかを確かめようとする方がいます。

    ですが、これはうまくいきません。

    車両費や作業員費は、お客様の側に妥当性を判定する材料が無い項目だからです。

    外から相場が見えないので、その金額の高い安いを内訳の細目から言い当てることはできません。

    判断できるのは、条件をそろえた税込の総額と、同じ条件で出した他社の金額との比較だけです。

    そのうえで、金額欄より先に見ていただきたいのが、見積書の条件欄です。

    基本運賃は、この条件欄の内容から組み上がっているからです。

    条件欄で見るところ 金額への効き方
    引越日(土日祝か平日か) 動かせる。平日に振れるなら、ほぼ確実に下がります
    開始時間の枠 動かせる。時間を会社側に預けるほど下がりやすい
    荷物の量 動かせるが、当日までに実際に減らす必要があります
    階数・エレベーターの有無 動かせない。ただし伝わっていないと当日に揉めます
    距離 動かせない

    基本運賃が高いと感じたら、金額を下げてくださいと頼む前に、この表の上ふたつが動かせないかを考えてみてください。

    値引きの交渉より、条件を動かすほうが金額はよく動きます。

    よくある質問

    Q. 基本運賃しか書かれていません。内訳が無いのはおかしいですか?

    おかしくはありません。内訳は聞かれればすぐ答えられるものなので、まず聞いてみてください。

    問題は内訳が無いことではなく、聞いても出てこないことのほうです。

    Q. 基本運賃に、梱包の作業やエアコンの工事は含まれていますか?

    会社によって扱いが違うので、金額欄からは判断できません。

    何がいくつ付くのかを品目で確認してください。附帯サービス料に何が入るかも見ておくと、二重に数えずに済みます。

    Q. 訪問見積もりにすると、基本運賃は高くなりますか?

    出てくる金額の傾向に、訪問と電話とで差はありません。

    変わるのは当日に荷物が増えていたときの責任の所在で、訪問見積であれば会社側が引き受けます。

    まとめ

    • 約款上の運賃は「運ぶことの代金」だが、実務の基本運賃はそれより広い中身を抱えている
    • 金額を決めているのは、物量・付帯サービス・開始時間の枠・日程・距離の複合
    • 見落とされるのは開始時間の枠と日程。他社との差はここから出ていることが多い
    • 車両費や作業員費の妥当性は外から測れない。比べるのは条件をそろえた税込総額だけ
    • 基本運賃を動かしたいなら、金額ではなく条件欄を動かす

    ここまで押さえられれば、手元の見積書の基本運賃が高いのか、条件のほうが高いだけなのかを切り分けて判断できます。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。

  • 引越しの附帯サービス料とは。削れる項目と削れない項目

    引越しの附帯サービス料とは。削れる項目と削れない項目

    見積チェックの清光です。

    引越の営業を10年、見積は1万5000件以上つくってきました。

    このサイトでは、お手元の見積書をどう読むかをお伝えしています。

    お手元の見積書に「附帯サービス料」という行はありませんか。

    金額だけが書かれていて、何の代金なのか分からない。そう感じている方の多い項目です。

    この記事では、引越しの附帯サービス料とは何かと、そこに並ぶ作業のうち削れるもの・削ってはいけないものの見分け方をお伝えします。

    見積書の内容を確認する前の、片付いた日本の住まいの玄関
    附帯サービスの要否は、部屋の設備で決まります

    附帯サービス料とは何か。引越しの見積書での位置づけ

    標準引越運送約款では、引越料金は運賃・実費・附帯サービス料の3つに分かれることになっています。

    このうち附帯サービス料は、荷物を運ぶこと以外の作業に対する代金です。

    入るのは、梱包・電気工事(エアコン脱着など)・クレーン作業などです。

    ただし実務では、この3つがきれいに割れているとは限りません。

    実費は独立して計算されていないことが多く、基本料金に溶けています。実費欄が空でも見積漏れにならない理由は別の記事に書きました。

    附帯サービス料も同じで、金額欄を検算しても妥当性は出てきません。

    見るべきは金額ではなく、何がいくつ付くのかという品目のほうです。

    削っていい附帯サービスと、削ってはいけないもの

    梱包・開梱・TV配線は、時間さえあればご自分でできます。

    これらは「できないから頼む」ものではなく、時間がない人が時間を買うためのものです。手が足りているなら要りません。

    一方で、業者に頼んでいただきたいものがあります。エアコン・食洗機・ウォシュレット・BSアンテナの脱着です。

    見積書の注意事項に「電気工事の脱着有無をご確認ください」と書かれているのは、このためです。

    ここのチェックが漏れると、当日に工事ができず現場で止まります。

    附帯サービス 自分でできるか 外したときに起きること
    梱包・開梱 できる 自分の時間を使うことになる
    TV配線 できる 自分でつなぐことになる
    エアコン等の脱着 できない 当日に工事ができず現場で止まる
    クレーン作業 できない 階段や通路を通らない大型のものが運べない

    なお、梱包までまとめたおまかせ系の上位プランは、会社が元が取れるように料金を設定しています。

    ですから判断軸は損得ではなく、ご自分の時間をいくらで売るか、になります。

    エアコンの脱着は業者に頼む附帯サービス

    その附帯サービス料をどう読むか

    1. 電気工事の脱着欄が埋まっているかを最初に見る。エアコン・食洗機・ウォシュレット・BSアンテナが対象です
    2. 梱包・開梱・TV配線が付いているかを、金額ではなく品目で確認する
    3. 自分でやると決めているものがあるなら、見積を出してもらう前に伝える
    4. そのうえで、比べるのは条件をそろえた税込の総額だけにする

    3番目が抜けると、出てきた金額から後で引いてもらう、という話になります。

    私の場合は、梱包をご自分でやると決まっているなら先に言っていただけたほうが、その前提で組めます。

    そして、附帯サービスを削って安くするより効くことがあります。

    土日祝を平日に振る、開始時間の枠を業者に預ける。動かせる条件のほうが、金額はよく動きます。

    Q. 附帯サービス料が0円と書かれています。付いていないということですか?

    金額だけでは分かりません。基本料金に溶けている場合も、本当に付いていない場合もあります。

    「資材は何がいくつ付きますか」「エアコンの脱着は含まれていますか」と、品目で聞いてください。

    Q. エアコンは引越屋と専門業者、どちらに頼むほうが安いですか?

    料金を見て比べるしかありません。ただ、引越屋もそんなに高くはありません。

    高くしすぎると他社に負けるからです。相見積の中に含めて比べれば足ります。

    Q. 附帯サービスを全部外せば、その分だけ安くなりますか?

    外した作業の分がそのまま引かれるとは限りません。基本料金と切り分けて積算されていないことがあるためです。

    ですから「外すので引いてください」ではなく、「これは自分でやります」と先に伝える形にしてください。

    まとめ:附帯サービス料は金額ではなく品目で読む

    • 附帯サービス料は、運ぶこと以外の作業の代金。梱包・電気工事・クレーン作業などが入る
    • 梱包・開梱・TV配線は自分でできる。頼むかどうかは、時間を買うかどうかの判断
    • エアコン・食洗機・ウォシュレット・BSアンテナの脱着は業者に頼む。漏れると当日に工事ができず止まる
    • 金額欄ではなく、何がいくつ付くのかを品目で確認する
    • 削って安くするより、日程と開始時間の枠を動かすほうが金額は動く

    ここまで分かれば、手元の見積書の附帯サービス料の行を見て、外していい作業と外してはいけない作業をご自分で切り分けられます。

    お手元の見積書について、判断に迷うところがあればご相談ください。

    実際の見積書を拝見して、内訳の読み方をお伝えしています。

    今後とも宜しくお願い致します。